総務省のレポート※によると、2030年には78兆8,705億円まで拡大すると予想されるメタバースの市場規模。2023年3月1日、グリーはメタバース事業を強化するために組織再編を行い、REALITY株式会社、REALITY Studios株式会社、REALITY XR cloud株式会社、BLRD PTE. LTD.の4社体制になりました。今回のインタビューでは、4社体制となった背景やメタバース事業の展望、求めている人材についてメタバース事業本部長を務めるDJ RIOさんに話を伺いました。
DJ RIO:グリー株式会社取締役上級執行役員 REALITY株式会社代表取締役社長
慶應義塾大学環境情報学部を卒業し、4人目の正社員としてグリー株式会社に入社。2018年にメタバース事業を担うWright Flyer Live Entertainment(現REALITY)を立ち上げ代表取締役に就任。2022年にはWeb3事業の責任者を務める。
4社体制により新たな局面へ
ーー改めて、グリーのメタバース事業について教えてください
DJ RIO:グリーグループでは、2018年に設立したREALITY株式会社を通じてメタバース事業に注力してきました。現在、グリーのメタバース事業では4つの事業を行っています。まずは、プラットフォーム事業。オンライン上の新しい世界でなりたい自分をアバターで表現し、コミュニケーションができるスマートフォン向けメタバース「REALITY」を運営しています。昨年には累計1000万DLを突破し、世界63の国と地域で配信されています。2つめは、VTuber事業です。2018年から運営をしており、KMNZ、VESPERBELLなど多彩なタレントをプロデュースしています。3つめは、法人向け事業「REALITY XR cloud」です。この1、2年は、企業からのメタバース活用ニーズが増えており、さまざまな企業に対して自社メタバースを構築したり、アプリ「REALITY」内で企業の公式ワールド(3D仮想空間)を作成したりと色々な形で企業のメタバースビジネスの進出をサポートしてきました。4つめは、Web3事業。ブロックチェーンのバリデータノードの運営やブロックチェーンゲームの開発を行っています。
ーーREALITY Studios社、REALITY XR cloud社を設立し、メタバース事業としては4社体制になりました。その背景について教えていただけますか。
DJ RIO:先ほどご説明した通りさまざまな事業が多角化しており、アプリ「REALITY」を筆頭にグローバル展開を進めています。今後、グローバル展開をさらに加速させるため、各事業が自律的に経営できるよう専任の社長を立てて分社化することで、よりコミットを深めていくことが今回の背景です。
ーー4社体制になることでどのような変化やシナジーがあるのでしょうか。
DJ RIO:まず、各社に求められる組織文化や組織構造は少しずつ違うものがあると考えています。 自分たちが取り組んでいる事業により特化した文化と組織を作って、事業に専念できる状態にしていってほしいですね。シナジーについてはそれぞれの事業がまずは競争力をつけて欲しいというところが大前提にあるので、まずはそれぞれで競争力をつけた上で今後連携できるようにしていきたいと考えています。
メタバースが切り拓く未来の可能性
ーーグリーのメタバース事業の目指す姿について教えてください。
DJ RIO:引き続き、「なりたい自分で、生きていく。」というビジョンでメタバース事業に取り組んで行きます。メタバース事業が多角化してきたことで、これまで以上に可能性が広がっていると思っています。「なりたい自分で、生きていく。」ことができるアプリ「REALITY」もありますし、法人としてビジネスを作っていきたい人を支援する法人向け事業もある。 それに加えて、そのメタバースで生きる新しい形のタレントやIPを生み出すVTuber事業もあるので、無限大の可能性を持ち、広がり続けているメタバース市場に対して多角的に事業を行う総合事業グループになっていきたいですね。
ーー今後はどのようにメタバース事業を伸ばしていくのでしょうか。
DJ RIO:メタバース事業全体では、グリーグループとして多角的な事業を持っているからこその強みを上手く活かしていきたいと考えています。例えばVTuber事業では、VTuberのタレントオーディションにアプリ「REALITY」のプラットフォームを活用することができるでしょう。BLRDのWeb3事業では、ブロックチェーンというメタバースネイティブな経済・金融システム基盤を使うことで、将来的にアプリ「REALITY」のクリエイターエコノミーを加速させていきたいと考えています。長期的に捉えて、それぞれの事業をグループ内に有していることで競争力を獲得していくことができると考えています。各事業ごとの戦略については各社で違いがあるので、ぜひ今後公開される記事も読んで頂けたらうれしいです。
メタバースの経験は不要、未知の領域への挑戦を楽しめるか。
ーー事業を大きくしていくにあたって、採用も強化されるのでしょうか。
DJ RIO:はい、採用強化を進めています。3月1日からメタバース事業における採用の特設サイトも公開しました。求人情報はもちろんのこと、メタバース事業についての関連記事や各社のコーポレートサイトなどがまとまっており、グリーのメタバース事業について理解を深めていただけるサイトになっています。
現在募集している職種は50以上のポジションがあり、エンジニア、プロダクトマネージャ、3Dアーティスト、マーケティングなど幅広く募集をしています。
ーーメタバースに関わった経験のない方も応募できますか?
DJ RIO:もちろんです!「メタバース」と聞くと、自分には関わりがないから挑戦できない、業界が遠いから応募できないと思う方もいらっしゃるかもしれませんね。メタバースそのものに関わったことがなくても、興味があればぜひ応募していただきたいと思っています。実際今働いている社員には、元SaaS企業の営業や、大手SIerでシステムエンジニアをしていた方、元音楽業界のプロデューサーなどさまざまな業界からジョインしたメンバーがいますが、これまでの経験を生かしながら活躍しています。メタバースに関わる仕事をしたい方であれば、どなたでも絶対にフィットするポジションがありますので、ぜひご応募いただきたいです。
ーーどのような方が活躍できるのでしょうか。
DJ RIO:各ポジションで求められる能力は違いますが、共通して大切だと思うことが2つあります。1つは、これから来るメタバースの時代を信じているということ。もう1つは、正解が見つかっていない未知の新しい領域に対して、挑戦したいと感じるトライアル精神があることが重要です。REALITYには、「終わりなき挑戦を楽しむ。」というバリューがあります。終わりのない試行錯誤のプロセスそのものを楽しめる方とぜひ一緒に働きたいですね。
ーーグリーのメタバース事業で働く魅力を教えてください。
DJ RIO:グローバルで1000万人以上に利用されているメタバース事業に関わることができるのは魅力の1つですね。日本国内の会社としては非常に珍しいですし、ユーザー数が多いことで、他にはできないような取り組みや挑戦できる機会が多くあるので面白いですね。もう一つは、安定と挑戦が両立された環境で働くことができるという点です。グリーグループは、大企業とスタートアップのいいとこ取りをして挑戦できる環境があります。新しい領域に挑戦する際に、既存のビジネスインフラ、ノウハウ、人材に加えて、長期投資に耐える財務基盤まで揃った環境は、国内ではかなり少ないはずです。そのような安定した基盤があるなかでも、前例のない新しいことに日々挑戦できる環境があります。短期的には変動があっても、5年後にこういう世界になると確信できるものに5年間かけて腰を据えて取り組める。そのような安定と挑戦が両立している環境は魅力的ではないでしょうか。
ーー改めて、事業への想いを教えてください。
DJ RIO:デジタルネイティブな世界ができて、その中でなりたい自分になり、色々な生き方をしていくことができる世界は確実に訪れると思っています。僕たちは、最初から変わらない未来を見て挑戦し続けてきました。そして着実に、自分たちがそれを作れている、前に進められているという手応えもすごく感じています。だからこそ今回、子会社化をして事業を多角化し、よりメタバース事業に注力していくことにしました。それぞれの領域で、皆がまだ実現に成功していない未来を作れているという実感があるので、すごく面白いです。
皆が夢見ていたような、或いは、語っていたけど誰も実現できていなかったメタバースの時代を自分たちの手で創り出していきたいですね。そのためには、プロダクトを更に進化させていき、共に新しい価値を創造していく仲間が必要です。きっと皆さんが活躍できるポジションがありますので、興味のある方はぜひこちらから。